昨日のメンバーシップ限定配信にお越し下さった方々、
ありがとうございました。
復習も兼ねて(自分の話したことを忘れないように)
どんなことをお話したのか、振り返ってみたいと思います。
メンバーシップ、入ってみようかな?という方にも、
参考になれば幸いです。
①「Smoke gets in you eyes」を例に、キーとコードについて。
クリフォード・ブラウン(トランペット)は、キーF。
ナット・キング・コール(ボーカル)は、キーBb。
オスカー・ピーターソンは、キーAb。
聴きなじみのあるスタンダードも、キーが変わると印象がガラッと変わります。
コードも、クリフォード・ブラウンは、黒本とは違うコードで始まっています。
黒本は、あくまでもセッションを円滑にするためのツールなので、
教科書ではなく、
実際に、素晴らしいミュージシャンが、スタンダードをどんなコード進行(チェンジ)で演奏していたのかを知ると、
さらに楽しくジャズが聴けるようになるかも。
②『枯葉』(Autumn leaves)に対して、ミュージシャンがコードをどうやって変えているか。
前の話と似ていて、超有名曲『枯葉』も、色々なアプローチがされています。
ビルエヴァンス
ウィントンケリー
ケニーバロン
3つのテイクを聴き比べました。
それぞれ、個性があって全然違いますが、
特にコード進行に注目しました。
全員、同じキーなのに、違うコード進行で演奏しています!
例えば、セッションで、ベースが、ウィントンケリーのテイクのコード進行で
遊んでくる時があります。そういう音遊びに、音で応えることができるようになると、
これまたジャズの演奏が楽しくなっちゃいます。
③「Ornithology」のパーカーのソロが凄すぎて、歓声が録音に残されている。
一番有名なテイクだと思うけど、上の動画の59秒あたりに、「ヤー」というか、「イエー」というか、
とりあえず叫び声が入っています。本当にパーカーはかっこいい!
④「いつか王子様が」マイルスのテイク。1曲の中で、バンドのサウンドの変化を聴く。
テーマを吹いているときに、
3拍子の曲に対して、ウィントンケリーがポリリズム的なバッキング(伴奏)をしています。時々入るフレーズも、最強!
マイルスのトランペットのソロが終わって、サックスのソロに移行するときに、
ベースが、ウォーキングに変わり、ドラムがブラシからスティックに持ち替えてシンバルレガートに変化しています。
基本的なことですが、ソロ奏者以外も、ソロをとっている人を
鼓舞するために、いろいろなことをやっています。
⑤「Evidence」モンクの名曲が、「Justice」という曲名で録音されています。
ピアニストのモンクが、警官にキャバレーカードを取り上げられてしまい途方に暮れていた際、
ドラマーのアート・ブレイキーが、彼を支援するためにレコーディングを行い、
その際にこの「Evidence」曲を「Justice」(正義)という曲名でアルバムをリリースしました。
2人の友情が垣間見える、心温まる逸話です。
ざっとこんな感じでしょうか?
1時間弱の配信でしたが、
振り返るとめっちゃボリュームありますね。
もし、「なんかわからんけど、面白そう!」と感じた方は、ぜひこちらの沼へようこそ。
音楽の聴き方は、本当に自由です!
僕は、こんなところを聴いているよっていう話なので、これが正解、というわけではないです!
ぜひぜひ楽しんでいただけたら幸いです。
というわけで、今これを執筆中に、
トラブルの電話が入りましたので、行って参ります。