ばーくんの毎日

ピアノのある生活。日々の雑感を綴ります。

2022/07/23 出会い

今日は、地元の近くのカフェで、

素敵な出会いがあった。

 

そのカフェは数年前に共演したドラマーさんが

オーナーをされているお店で、

100年くらい前の古民家を改装してオープンしたそう。

 

数年前に、

演奏とは別の件で、そのドラマーの方に

お世話になったこともあったから、

いつか行かないといけないと思っていたけど、

結局それが今日になってしまったのは

自分のだらしないところ。

 

お店は、とても落ち着いた雰囲気で、

どこを切り取ってもお洒落で、

でも飾りすぎない自然な感じで、

すごくリラックスできた。

 

お客さんは僕と妻だけで、

店員さんも、店主の方1人だけだった。

 

「昔、オーナーさんにお世話になった

ジャズピアノを弾いてる者です」と

ご挨拶したら、

今日はオーナーさんは休みで、

僕だけなんです、という話から、

どんどん広がっていった。

 

絵を描いたり、この店でコーヒーを淹れたり、

デザインをしたり、ビートミュージックを作ったり、ラッパーとコラボしたり、

かなりマルチな活動をされている方で、

年齢は、45歳とのことなので、

僕より一回り上。

 

話を始めて、

一つ一つの言葉の伝え方、選び方、

目つき、雰囲気から、なんとなく、

「この方は何かアート的な活動をしている方なんだろうな」とすぐにわかった。

 

昔は、ロックバンドをやっていたらしく

エルレガーデンや、10-Feetなどと対バンをしたりしていたそう。

 

物腰はやわらかだけど、

ものすごく情熱的な方だった。

 

どういう流れだったか忘れたけど、

 

「多くのひとは、

自分の感性に臆病になっている気がしていて、

○○賞をとった、チャンネル登録者が○○万人だ、

とかそういう目に見える基準がないと、

心から拍手できない人も多いように感じます。

 

自分が素敵だ、感動したと思ったら、

素直に拍手をしたらいいのに。

良いのか悪いのか、自分ではわからないから、

わかりやすい価値を信じて安心したいのかもしれません。

 

東京こそが文化の中心と思っている人もいて、

埼玉で活動していると、それだけで

なぜか下に見てくる人たちもいます。

 

そういう状況を、自分の地元から

変えていきたくて、

良いもの純粋に伝えていきたくて、

マルチな方面で、文化的な活動をしているんです」

 

というような話をしてくれた。

 

僕自身も、自分のやっている活動や、

考えていること、感じること、

クラウドファンディングのこと、

仕事とピアノのこと、とか、話さずにはいられなくなった。

 

 

店主の方は、昔は、多方面での活動を馬鹿にされることもあったそう。

 

「絵なんか描いているから、ロックができない」とか。

 

今でこそ、マルチな活動とか、

複数の仕事をやることは、

社会的に浸透しつつあるけど、

一昔前は、それに対してもっと理解も無かったはず。

その荒波の中、かなり苦労をされたのだろう。

 

僕自身は

ピアノと仕事、二つの活動が大切で、

そこにはそれぞれ100%を注いでいる。

が、ある人からは、

「ピアノで食えないから、仕事をしている」

「仕事の片手間に、ピアノを弾いている」

と捉えられるだろう。

 

そこへの反骨精神で、歯食いしばって

ピアノに向かっていた時期も長いことあったし、

今も少しあるが、

反骨精神に縛られて

自分の今の生き方を認められないようでは

いけない、ともここ最近思っていた。

 

僕には、亡き祖父から父へ、

そして父から受け渡される大切な会社がある。

ピアノだけの人生ではない。

 

1人で生きているわけでもない。

守らなければいけない妻もいる。

 

きっとこの店主の方は、

僕と近いような感覚で、

壁を乗り越え続けて

今こうして、いろいろな形で

自分の思いを地元で表現しているんだろうな、と

感じた。

 

胸が熱くなったし、

たくさんの勇気をもらえた。

 

最後に、「頑張ってね、いや、頑張りましょう」

と言ってくれた。

 

こういう言葉を選べるところが、

僕は好きだ。

 

人は出会うべき時に、出会うべき人と出会う。

だらしない自分ではあるが、

悩んでいた今だったからこそ、

今この人に出会い、こうして話ができたんだと信じたい。

 

自分の道を真っ直ぐに進みたいと思った。